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プラシオクレースムーンストーンといっぱいあってややこしい長石の話

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先日、こんなオレンジ色の石を入手しました。
プラシオクレースムーンストーン です。

オレンジ色のラブラドライトみたいな。
みたいなっていうか、まあ非常にラブラドライトに近い石なんですよ。
写真はちょっとシトリンみたいに強い黄色ですが、
実物はもっと暖色寄りの柔らかいオレンジです。

ラブラドライトと同じ斜長石(プラシオクレース)グループで、
ラブラドライト様のシラーの入るアンデシンです。
レインボーアンデシンとか、アンデシンラブラドライトとかの名称で
市場には出ているんじゃないかと思いますが、
鑑別に出すと、プラシオクレースムーンストーンとなるようです。
現在、アンデシンやラブラドライトは流通名になっちゃっているので
鑑別では出てこないんですけど、ま、この話は後程。

アンデシンは長石の中でもラブラドライトにごく近い石で、
一般的にはもっと赤い、茶系の濃い赤が多いんですけど、
カラーチェンジアンデシンと呼ばれる、
角度によってグリーンにも見えたりするものもありますね。
多分今、市場に出ている多くはチベット産で、
一部の聖職者の間では、聖なる石、儀式用の石としても使われていたとか。
薄い色味でも、もっと赤寄り茶寄りがほとんどなんですが、
これはねえ、オレンジなんですよねえ。
アンデシン自体は赤から黄色まである石なので、
オレンジでも決しておかしくはないんですけど、
何よりかなり透明で美しいんですよ。
この透明度、ホワイトラブラドライトだったら大っ変な高級品になるわな・・・
アンデシンとしては、赤の強いもの、緑のものが良いとされるようですけど、
この透明度とあったかくて可愛いオレンジと青白いシラーを見たら、
私が惹かれないほうがおかしいっ!(にぎりこぶしっ 笑)

だってオレンジの石ってなかなかこれだ!がないんですもん。
同じ長石の仲間、サンストーンがありますけどね。
カーネリアンやオレンジカルセドニーもあるけどもね。
オレンジカルサイトはビーズ向きじゃないですしね。
そしてみんな、こういう透明感はないんですよ。

そんな訳で、うっひゃあ♪と手にして、しばらくほくほくして眺めながら、
これをバラして何かと合わせるか、このまま出そうか悩んでしまいまして。
で、ちょろっとSNSに写真をアップしてみたら、
これはこのまま使いたいよね~って方もいらしたので、
まずは、このまま出してみようかなと思っています。
ちょっと待っててくださいね、できるだけ実物に近い色味の写真撮りなおすので。

アンデシンは先にも書きましたけど、聖なる石、
そししてラブラドライト同様、魂の学びみたいなことをいわれる石なんですね。
3次元のこの世で、行動しながら変化しながら成長していく魂をサポートしてくれる護り石のようですよ。
守護してくれる存在との繋がりまでも護るとか言われますが
う~ん、ラブラドライトよりも、寄り添う石かもしれませんねえ。

そんな訳で、このオレンジ色の光るヤツは、白から青のシラーの出るアンデシン。
ラブラドライトともごく近しい石であろうと思われるけど、
この光は虹色ではないから、ラブラドレッセンスというより、
シラー(独 きらめき の意味)と呼んだほうがいいでしょうね~。
チベット産です。

さて、ということで。
以前水晶石英の仲間の話をここに置いておきましたが、
今回はプラシオクレースムーンストーンのついでに、長石のお話です。
長石はほとんどの岩石に含まれていて、
長石が少しも含まれない岩石はほぼないらしい、巨大な鉱物グループです。
花崗岩(グラナイト 石材になると御影石)にも入ってますよね。
あれは石英、長石、雲母。
懐かしいな、これは小学校の理科で習ったんでしたっけ?

そんな長石のグループを分けるとこうなります。

カリウム(K)、ナトリウム(Na)、カルシウム (Ca)
この3つの元素の含有によって、大きく3つに分けられています。
三角の頂点部分ですね。

● オーソクレース(正長石)  ⇒カリウム(K) 加里
● アルバイト(曹長石)   ⇒ ナトリウム(Na) 曹
● アノーサイト(灰長石)  ⇒ カルシウム (Ca) 灰

この図の三角の左上辺域に属するものが、アルカリ長石グループ
下辺域に属するものが斜長石グループとなるのです。

カリウム、ナトリウム、カルシウムの後ろに漢字を入れてみました。
斜長石グループのそれぞれの日本語名、成分によってつけられているの分かります?

長石(アルバイト)にちょびっとカルシウム()が混じったのが曹長石(オリゴクレース)
長石(アノーサイト)にちょびっとナトリウム()が混じったのが灰長石(ラブラドライト)

分かり易いんだか分かり難いんだか分らんけども(笑)
一応この混じりっぷりを、図ではグラデーションで表現してみました、ええ(^m^)
この成分と日本語名については、各種ガーネットも面白いんですよね。
古い記事ですが、ご興味のある方はどうぞ。

さて。
ムーンストーンはアルカリ長石の中で光るものという定義があるので、
必ずしも正長石オーソクレーズである必要はないのかもしれませんが、
現状、正長石のムーンストーンは枯渇して、ほぼ流通していないようです。
アンティークのジュエリーでもない限り。
なので今、特に何も記載がないムーンストーン名で流通しているものは、
そのほとんどがアルバイトの変種のペリステライトだと思って良いようですよ。
レインボームーンストーンと、レインボーが入っていたら、ホワイトラブラドライトですね。

アンデシンやラブラドライトは下辺の斜長石プラシオクレースグループにあり、
最初にプラシオクレースムーンストーンをラブラドライトにごく近いと書いたのは、
この図からもお分かり頂けるかと思います。
お隣ですね。なので混じり合いやすいのも当たり前ってことです。

ただこれが、いっぱいあって非常にめんどくさいよね、と。
上記、成分でつけられてる日本語名のとこ見ても、ややこしいよね(笑)
そういうことで、プラシオクレースグループに取り決めができたんです。
NaとCaの含有比率50%のところで、
曹長石アルバイト灰長石アノーサイトのどちらか2つの分類にしちゃおうと。
それで、ラブラドライトやアンデシンは固有種名ではなく、宝石名、流通名になっちゃったんです。

これが先の鑑別でプラシオクレースムーンストーンと書かれる訳ですね。
ムーンストーンは一応、アルカリ長石の中で月の光のようにぼうっとした光の出るもの。
これはムーンストーンのようなシラーは出るけれど、
アルカリ長石グループではなく、プラシオクレースグループ。
そして50%ルールの丁度真ん中、アルバイトとアノーサイトにまたがってる、
だからグループ名を使ったんじゃないかな。
流通名として、アンデシンラブラドライトやレインボーアンデシンとなったのも頷けます。

ホワイトラブラドライトが、レインボームーンストーンという流通名をつけられているのも
鑑別書の記載と流通名なので厳密には違うけど、まあそんな感じでしょうし。
ホワイトラブラドライトはアルカリ長石グループのムーンストーンではない。
プラシオクレースグループだから。
だけどこの白地に虹色の光にだってムーンストーン名つけたいじゃないかっ!
だからレインボーってつけて区別しとこ♪
そんな感じだったんじゃないでしょうかね。
勿論、ムーンストーンという有名な名前をつけておけばってスケベ心も含み~の。

笑っちゃうくらい高品質で美しかったレインボームーンストーン。
ペリステライトのムーンストーンより毅然とした強さみたいなものを感じます。

この50%ルールはエンスタタイトにも適用されていて、
以前はブロンザイトやハイパーシーンなど4分類だったのが、
マグネシウムと鉄の含有量によって、
エンスタタイトとフェロシライトの2つになっちゃいました。
なのでハイパーシーンやブロンザイトもエンスタタイトでひとくくりです。
ハイパーシーンは白から薄ピンク色のシラーが出るので、エンスタタイトキャッツアイって書かれるかな。 

うん、脱線しましたm(_ _)m

あっ、もひとつ脱線というか、長石として書いておきたいのは、サンストーン。
サンストーンって一般的には概ねオリゴクレース、
ナトリウム多めのアルバイト寄りのところの石なんですが、
結構産地によって成分が違うみたいなんですよね。
タンザニア産はカリウム多め、インド産はナトリウム多め、ロシア産アノーソクレースのサンストーン、チベット産アンデシンのサンストーン、オレゴン産ラブラドライトのサンストーン、みたいに。
そう言えば、オレンジムーンストーンの中にも、ぼうっとしたシラー入りなのに
サンストーン様のキラキラが入ってて、サンムーンストーンって名前つけられてるとか、
あるぅえぇ!?みたいなのも結構ありますわね。
かくも分類は難しいって話でしょうか。

あと、以前一度タンブルを出したんですけど、ラルビカイト。
図では主成分がアルカリ長石なので、左上に入れてありますが、
多分にオリゴクレースも含んでいるようです。
ラルビカイトの白や青のシラーは確かに見た目はラブラドライトのほうが近いです。
ちなみに、石材でいう高級な黒御影ってラルビカイトのことなんですよ~。
黒御影、ブルーパールとかって商品名にあったら、ビンゴです。

これねラルビカイト。
こっちはラブラドライト

こういう話は、お客様方はきっとさほど知らなくてもいいとは思うんです。
これが好き~♪で、それだけで充分だと思うし。
ある程度、そうだな、明らかにこれは人工的に作られたものだよとか、
その名前ついてるけど違う石だよとかの
有名どころを知っていればいいんじゃないかなとは思います。
人工ガラスのチェリークオーツとか、
マグネサイトの染色のハウライトターコイズとかハウライトラピスラズリとか。
それでもいいな、キレイだしと分かっていて買うのと、天然だと思ってたのにぃ…とは大きく違いますしね。

ただ、私はどーーーも、突っ込んでいきたくなる性分なんで
思えばつい、ほぅほぅと調べまくってしまい、うっかりすると朝!なんてことが多々(笑)
そんなこんなを積み重ねてきた10年でしたねえ。
とはいえ、根は大雑把ですから、研究者ちっくにはなれませんね~(^m^)

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